STYLUS 1とDSC-RX10の違いと比較

オリンパス STYLUS 1とソニー DSC-RX10

オリンパスのSTYLUS 1ソニーのサイバーショット DSC-RX10の違いと比較について、書いています。まず大きな違いは、価格です。RX10は、STYLUS 1の2倍くらいの価格になっています。その価格差は、撮像素子の違いからきています。STYLUS 1はコンデジの高級コンパクト機と同じ1/1.7型のCMOSセンサーで、RX10は1.0型のCMOSセンサーです。撮像素子の違いから、RX10のほうが高感度時のノイズが少ないこと、STYLUS 1よりRX10のほうが背景をぼかせるので、表現の幅が広いです。撮像素子の違いは、絞り値の範囲にも出ています。STYLUS 1はF2.8からF8までの絞り値ですが、RX10はF2.8からF16までの絞り値です。画質を最も重視するのなら、STYLUS 1よりRX10になります。

単純に画質だけを見て選べないのが、デジカメを購入する時にいつも悩むことです。画質を最大限に重視するなら、RX10より撮像素子が大きいAPS-Cサイズや35mmフルサイズの機種があります。レンズ交換が不要なレンズ一体型の便利さに惹かれて、しかも、その高倍率機の中で画質がいい機種を選ぶ時に、RX10かSTYLUS 1かで悩むことになります。今現在で35mmフルサイズの機種やAPS-Cサイズの機種を持っているなら、そのサブ機としてSTYLUS 1を選択する意味は大きいです。一台で済ませたい場合には、高画質のRX10を選ぶ理由が大きくなります。現在の所有のカメラとの兼ね合いでも、STYLUS 1かRX10のどちらかにするか違ってきます。

STYLUS 1の有効画素数は1200万画素で、RX10の有効画素数は約2020万画素です。STYLUS 1にはデジタルテレコンの2倍があって、RX10には全画素超解像ズームで20Mサイズで約16倍、10Mサイズで約23倍、5Mサイズで約33倍で、VGAサイズでは約126倍までできます。画素数が多いほどトリミングで望遠の距離を稼げます。STYLUS 1もRX10も広角端の開放F値がF2.8なのは同じですが、望遠端の開放F値もF2.8で、全域でF2.8のレンズです。STYLUS 1は28mmから300mm相当で、RX10は24mmから200mm相当のレンズです。RX10は光学8.3倍で、STYLUS 1は光学10.7倍です。STYLUS 1のほうが100mm相当の光学ズームがありますが、RX10のほうが広角側の撮影ができます。

28mmから300mmと、24mmから200mmのレンズのどちらがいいかは撮影スタイルによって違ってきます。RX10は1.0型センサーの高画質と高画素数があるので、あとからトリミングして撮影距離を稼ぐこともできます。写真で可能なことと不可能なことは、望遠側はトリミングで対応できても、広角側の不足は対応ができないことです。28mmで撮った写真には28mmの画角の被写体しか写ってなく、そこに情報がないので、後から付け足すことはできません。28mmよりも24mmの広角が欲しいのならば、STYLUS 1よりもRX10になります。STYLUS 1の実質の焦点距離は6.0mmから64.3mmで、RX10の実質の焦点距離は8.8mmから73.3mmです。

実質の焦点距離の違いは1/1.7型と1.0型のセンサーの違いからくるもので、RX10は200mm相当でSTYLUS 1の300mm相当の望遠の画角よりも広いのに、実質の焦点距離はRX10のほうが長いです。100mm相当の画角の違いでもRX10のほうが実質の焦点距離が長いのは、RX10のほうが背景をぼかした写真に向いていることです。STYLUS 1は広角端で10cm、望遠端で80cmまでのマクロ機能があります。RX10は広角端で約3cm、望遠端で約30cmまで寄れるマクロ機能です。RX10のほうが、STYLUS 1よりマクロ機能が優れています。通常は撮像素子が小さいほうが接写に強いですが、撮像素子が大きいRX10のほうが接写に強いことも大きな魅力です。ソニーのDSC-RX10のテレマクロに、テレマクロのことを書いています。

RX10は実質の焦点距離が73.3mmでF2.8の明るさで、レンズの先端から被写体まで約30cmまで寄れます。しかも、その時の焦点距離は200mm相当です。ポートレートを撮る時に背景をぼかしたくても、1/1.7型のSTYLUS 1では300mm相当の狭い画角にしてもRX10よりも背景がぼけません。RX10は200mm相当でSTYLUS 1よりも被写体に近づけて、実質73.3mmのF2.8のレンズなので、ポートレート撮影はSTYLUS 1よりRX10のほうがいいです。STYLUS 1のスーパーマクロはレンズの先端から被写体に5cmまで寄れる機能で、ズーム位置は42mm相当で実質で約9mm相当になります。

RX10とSTYLUS 1を比べて、STYLUS 1のほうが得意な分野に昆虫撮影があります。RX10のほうが撮像素子が大きいので、小さい昆虫を撮影するとSTYLUS 1よりも背景がぼけるだけでなく、昆虫の一部もかなりぼけてしまいます。1.0型よりも1/1.7型のほうが被写界深度が深くなるので、昆虫に焦点を合わせて、しかも背景もぼかす昆虫撮影はRX10よりSTYLUS 1のほうが得意分野です。昆虫撮影をよくするのなら、STYLUS 1のほうを選択肢に入れていいと思います。STYLUS 1は3.0型の液晶モニターで、3:2の約104万ドットです。RX10は、3.0型で4:3の約122.9万ドットのエキストラファイン液晶で、RX10の液晶モニターのほうが鮮明に見えます。STYLUS 1の液晶モニターは上に約80度、下に約50度の可動で、RX10は上に約84度、下に約43度です。STYLUS 1のほうの液晶モニターは下の可動に少し余裕があって、RX10のほうの液晶モニターは上の可動に少し余裕があります。

STYLUS 1とRX10のEVFは約144万ドットで、どちらも同じです。RX10の視度調整の範囲は-4.0 - +3.0m-1で、STYLUS 1の視度調整の範囲は約-4~+2m-1なので、+側の視度調整の範囲がRX10のほうが広いです。ディオプター 眼鏡利用者の裸眼の視度調整に、視度調整のことを書いています。RX10のEVFのほうがアイポイントが長いので、眼鏡利用者はRX10のEVFのほうが見やすいです。RX10にはダイレクトマニュアルフォーカスがあるので、AFとMFの操作の切り替えが素早くできます。RX10は25点の測距点で、STYLUS 1には35点の測距点があります。STYLUS 1とRX10のどちらとも露出補正の幅が±3なので、レンズ一体型の高級コンパクト機のキヤノンのG16ニコンのP7800と同じです(露出のことは、デジカメと銀塩フィルムカメラの露出の違いの記事から書いています)。

STYLUS 1はISO100からISO12800で、RX10はISO125からISO25600まであります。RX10のISO25600は、重ね合わせ連写によるものです。RX10よりSTYLUS 1は、ISO25分の低感度での撮影ができます。STYLUS 1のシャッタースピードは1/2000秒で、RX10は1/3200秒です。RX10はF8以上に絞ると、開放時のシャッタースピードの上限が1/1600秒になります。レンズシャッターとフォーカルプレーンシャッターの違いに、高速シャッタースピード時の制限のことを書いています。STYLUS 1とRX10のNDフィルターのどちらとも、3段分が可能です。RX10には、マルチショットノイズリダクションがあります。

マルチショットノイズリダクションは連写の合成で高感度域のノイズをかなり減らせるので、積極的に使ってみるといいと思います。STYLUS 1には、オリンパス機の魅力のフォトストーリーの機能があります。フォトストーリーは組写真の機能で、オリンパスのフォトストーリーを使いたいのなら、RX10よりSTYLUS 1しかありません。RX10ではメモリースティックも使えて、マイクロUSBも使えます。RX10にはWi-FiとNFC、STYLUS 1にはWi-FiとスマホでのGPSタグ付け機能があります。RX10のバッテリーの持ちは、CIPA基準で液晶モニタの使用時は約420枚で、ファインダーの使用時は約340枚です。

STYLUS 1とRX10の大きな違いは価格差以外に、大きさと重さがあります。STYLUS 1はバッテリーとメモリーカードを入れた重さが約402グラムで、RX10はバッテリーとメモリーカードを入れた重さは約813グラムもあります。RX10はSTYLUS 1よりも2倍以上も重く、しかも、サイズも大きいです。実際に持ってみると、RX10よりSTYLUS 1のほうが手軽に撮影できます。STYLUS 1は自動開閉式のレンズキャップのLC-51Aが装着されていて、レンズキャップの着脱の必要がありません。RX10は、レンズキャップの着脱が必要です。RX10に比べると、STYLUS 1は手軽に撮影できる面で優れています。

RX10は1.0型のセンサーで全域F2.8の200mm相当までの望遠レンズで、その性能の影にはSTYLUS 1は隠れてしまいそうです。ですが、1/1.7型で全域がF2.8の300mm相当のレンズ一体型の高倍率機は、今まで出てこなかったものです。今まではパナソニックのFZシリーズが全域でF2.8のレンズの高倍率機を出してますが、撮像素子が1/1.7型よりも小さいです。STYLUS 1も十分に高性能な高倍率機で価格はRX10の半分くらいなので、自分の撮影スタイルを考えて見て、STYLUS 1かRX10のどちらにするのかを考えて見たらいいと思います。

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