ソニー RX1RのF2レンズの驚きとレビュー 比較
RX1RのF2レンズの驚き
DSC-RX1Rも前機種のRX1も同じレンズの明るさになりました。RX1のレンズの明るさの特徴も、後継機のDSC-RX1Rに引き継がれたのです。
RX1は35mmフルサイズ初のレンズ一体型機でしたが後継機のRX1Rもそれは同じで高価なので、RX1Rを購入する人のカメラに対する思い入れは、前機種のRX1と同じで特に強いと思います。ここでも、そのRX1Rが今までのカメラの歴史から見てどういう位置付けなのかを、カメラ史を思い巡らせながら書いています。
前機種のソニーのRX1が35mmフルサイズのレンズ一体型であるのに、レンズの開放F値がF2なのは、フィルム時代から考えても相当の驚きだったのです。後継機のRX1Rでも同じレンズの明るさのF2にしたのは、ソニーの心意気のあらわれになっています。フィルム時代を振り返れば、レンズの明るいコンパクト機が出ていた時代がありました。
1961年(昭和36年)の1月に45mmでF1.9のレンズのキヤノネットがキヤノンから発売されて、売れに売れました。このキヤノネットの人気は凄まじいもので、日本橋三越の7階展示場の売り場に階段にまで人が押し寄せて、1週間分の在庫がたった2時間で完売しました。1961年2月6日号の『週刊文春』に、「くたばれ!キヤノネット」という記事が載るほどでした。
キヤノネットがF1.9の単焦点レンズを搭載したコンパクト機であったのには、今とは違った当時の時代背景がありました。当時のカメラにはストロボが内臓されていなかったので、そのために明るいレンズが必要だったのです。光量不足のためにレンズの明るさが必要だったのが、フィルム時代のコンパクト機です。
1966年に発売されたヤシカエレクトロ35は45mF1.7でキヤノネットよりレンズが明るく故障も少なかったこともあって、世界で500万台も売れました。そのヤシカエレクトロ35は1975年のヤシカエレクトロ35GXが最終モデルです。それは、1975年に、コンパクト機で明るいレンズの必要性が薄れるあることがあったからです。
1975年に出たコニカC35EF(通称、ピッカリコニカ)はストロボを内蔵して38mmF2.8のレンズになりました。ヤシカエレクトロ35の最終モデルの年の1975年に内臓ストロボ機が発売されたのが象徴的で、この時がF2以下の明るいレンズコンパクト機がフィルムカメラから発売されなくなった時です。
フィルムコンパクトでも開放F値がF2以下のものは、キヤノネット、ヤシカエレクトロ35の時代に出ていたくらいです。フィルム時代の高級コンパクトの名機の代表と言えば、ミノルタのTC-1がその筆頭です。そのTC-1もレンズが28mmで開放F値はF3.5です。他のフィルム機のリコーのGRシリーズも開放F値はF2.8が最も明るく、CONTAX Tシリーズも開放F値はF2.8です。
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