ソニー α7 レビュー 比較と評価
SONY α7 ILCE-7
ソニーのα7 ILCE-7はミラーレス一眼のレンズ交換式ですが、35mm判のフルサイズ機にしては価格が抑えられているのが大きな魅力です。ソニーのミラーレスのフルサイズ機が出ると言われていましたが、その価格は予想以上に安かったです。α7は総画素数は約2470万画素で、α99と同じです。2470万画素もあれば十分な画素数です。α7の3対2の時のSサイズは約600万画素で、APS-Cサイズの撮影時のSサイズは約260万画素なので、α7RのSサイズよりも画素数が抑えられていて手軽に使えます。α7には位相差検出方式のAFがあって、高速のAFが使えます。α7の位相差AFは測距点数が117点(35mmフルサイズの時)も豊富にあるので、被写体の追従性も高いです。α7の位相差AFとコントラストAFを合わせたファストハイブリッドAFで、両方のAFが使えます。α7のコントラストAFの測距点数は、25点です。α7のAFの検出輝度範囲がEV0なので、暗所でのAF精度が低いのが気になるところです。Aマウントのエントリー機のα58でも、EV-1までカバーしています。
α7のアイセンサー搭載のEVFは0.5型で約236万ドット、倍率が0.71倍で視野率が100%でα99と同じですが、α99のEVFよりもコントラストが約3倍になって見やすくなっています。EVFの視度調整の範囲は、-4.0-+3.0m-1 ディオプターです。ディオプターの記事に、書いています。α7は、全画素超解像ズームで約2倍まで使えます。ソニーの一眼は、デジタル処理系のズームが使えるのが特徴です。全画素超解像ズームは等倍で見ると画質の劣化は確かにありますが、通常に使う分には問題なく使えます。全画素超解像ズームは物理的なテレコンとは違ってレンズのF値が暗くならないので、シャッタースピードが稼げます。α7のスマートズームなら余った画素数を使うので、画質の劣化がありません。35mmフルサイズの時に、Sサイズで約2倍のスマートズームが使えます。Sの約600万画素で約2倍のスマートズームになって画質の劣化もないので、600万画素で十分ならスマートズームを使ってみてではどうでしょうか。スマートズームを使えば単焦点レンズが開放F値のまま焦点距離が伸びてズームレンズのように使えるので、単焦点レンズをよく使うのなら、特にお薦めです。
α7ではAPS-C専用のEマウントレンズを使うと、クロップした写真になります。これは、望遠撮影をよくする場合には長所にもなります。APS-Cサイズ時のスマートズームではSサイズで約2倍になって、元のクロップの分のズームもあるので、α7でAPS-Cレンズを使うと望遠撮影機にも変わります。最初からズームして撮ることで構図の中に被写体を収められるので、後でレタッチして画像を拡大するのとは違って、撮影時にしっかりと被写体を捉えることができます。α7はFEレンズで35mmフルサイズのセンサーを活かした写真が撮れますが、FEレンズが少ないのが欠点です。フルサイズセンサーに対応のマウントアダプターのLA-EA4とLA-EA3を使えば、Aマウントレンズが使えます。FEレンズが少ない欠点はマウントアダプターでAマウントレンズを使ったり、APS-Cレンズでのクロップの望遠撮影で、ある程度は補えます。LA-EA4のマウントアダプターにはトランススルーセントミラーが搭載されていて、α7でトランススルーセントのTTL位相差検出方式のAFが使えます。
α7の3.0型の液晶モニターは約92万ドットなので、コンデジの高級コンパクトと同じくらいのドット数です。液晶モニターはバリアングルではなく、上に約90度、下に約45度に動く上下チルト式なので裏返しにできずに、α99のように自分のほうにモニターを向けることもできません。α7には速度優先連続撮影で最高約5コマ/秒が可能ですが、これは1コマ目にピントと露出を合わせるもので、惰性連写のようなものです。本来の連写の度にピントと露出を合わせるAF追従連写では、α7は最高で約2.5コマ/秒になります。JPEGでLサイズのスタンダード時の連続撮影枚数が200枚なので、α7でこの設定にすると、連写で被写体を捉えられる率が上がります。α7のバッテリーはNP-FW50で、CIPA基準でEVFでは約270枚で液晶モニターで約340枚しか持ちません。α7で再生画像をよく見たりしていると、さらにバッテリーが持たなくなります。NP-FW50のバッテリーはNEX-5Tと同じですが、α55とも同じです。
α55はバッテリーの持ちが悪かったので、後継機のα57でα99と同じNP-FM500Hになってバッテリーの持ちが大幅に改善されました。α7は小型化を優先して、バッテリーの持ちが悪いNP-FW50を採用しているので予備がないなら必要になると思います。α7のバッテリーの持ちは、コンデジの高級コンパクト機よりも持たないくらいです。α7の本体のみで約416グラムでフルサイズ機なのはすごいことですが、バッテリーの小型化と手ブレ補正も省略されています。α7は、レンズ式手ブレ補正です。ソニーで手ブレ補正内臓のレンズ交換式は、Aマウントの機種になります。α7はマグネシウム合金のボディですがが、フロントカバーはマグネシウム合金がされていません。α7のボディは、防塵・防滴も考えられた設計になっています。他には、露出補正が±5、前後ダイヤル、「トリルミナスカラー」対応、AdobeRGBの色空間、SDカードのUHS-Iに対応、色でピント面が確認できるピーキング機能、NFCとWi-Fi、フルHD動画、「ブラビア プレミアムフォト」にも対応しています。
α7には電子先幕シャッターがあって、フラッシュの同調速度は1/250で、シャッター速度の上限は1/8000秒です。α7のISO感度は、ISO100からISO25600で拡張でISO50も使えます。オートISO感度はISO100からISO6400で、マルチショットノイズリダクションを使えばISO51200が使えるなど、α99とも同じです。ソニーのマルチショットノイズリダクションは連写した画像の重ねあわせでノイズが1段分以上も低減できるので、高感度撮影時には使うこともお薦めします。α7のフレキシブルスポットAFでは、S、M、Lの3つのAF枠を選べます。α7にはα7 ILCE-7K ズームレンズキットのFE 28-70mm F3.5-5.6 OSS SEL2870が付属しているキットと、ILCE-7の単焦点レンズキットのSonnar T* FE 35mm F2.8 ZA「SEL35F28Z」が付属しているキットがあります。
α7のEマウントは、レンズのマウント面から撮像面までの距離のフランジバックが18mmと短いので、マウントアダプターを使ってオールドレンズが使えます。α7は35mmフルサイズなので、ライカなどのオールドレンズの画角がそのまま使えます。Sony α7 IIのレビューと比較に、α7Ⅱのことを書いています。ソニー α7Rのレビューと比較とα7Rとα7の違い、α7Sとα7の違い、D810とα7の違い、α7とD610の違いに、それぞれの機種の記事を書いています。
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