アンチディストーションシャッターとは何か

アンチディストーションシャッター

アンチディストーションシャッターとは、電子シャッターの特性によって生じる欠点を補う機能です。電子シャッターは非常に便利に使えて、やがてメカシャッターから、現行の電子シャッターがさらに改良されたグローバルシャッターに切り変わっていきます。

電子シャッターとメカニカルシャッターの違い
グローバルシャッターとローリングシャッターの違いとは

電子シャッターはメカシャッターよりも非常に高速なシャッタースピードが稼げて、さらに撮影の幅を広げてくれるものです。それなのに、電子シャッターよりシャッタースピードの上限に制限があるメカシャッターが使われています。

それは、電子シャッターの欠点をメカシャッターが克服しているからです。それが、動体撮影時の被写体の歪みです。この歪みはローリングシャッター現象と呼ばれているもので、電子シャッターでは以前から繰り返し問題になってきているものです。

よく誤解されているのは、メカシャッターであれば動体撮影時の被写体の歪みがないと思われていることですが、正確には、メカシャッターでも起こっています。その起こり方が、気にならないレベルにまで抑えられているだけです。

そして、電子シャッターでも、メカシャッターと同程度にまで動体撮影時の歪みをなくして、ローリングシャッター現象が問題にならない電子シャッターを目指して出てきたのが、アンチディストーションシャッターです。

このアンチディストーションシャッターが特に注目されるようになったのは、35mmフルサイズの一眼のソニーのα9からです。α9は35mmフルサイズでも電子シャッターを重視して、メカシャッターを補助にした機種で、グローバルシャッターを目指したカメラになっています。

アンチディストーションシャッターは、CMOSセンサーのスキャン速度を高速化して、画面の上下の読み出しのズレをなくそうとしているものです。

グローバルシャッターはCMOSセンサーでの全画素の「同時露光」が可能になるので、アンチディストーションシャッターはグローバルシャッターには届かない機能ですが、それを目指した機能です。

アンチディストーションシャッターは、動体撮影での被写体の様々な動きよりもスキャン速度を速くしてローリングシャッター現象を防ごうとするものになっています。

35mmフルサイズのα9からフルサイズでも本格的に搭載されたアンチディストーションシャッターの機能から、ソニー以外のメーカーも本格的に電子シャッターの動体歪みを改善して、CMOSセンサーでのグローバルシャッターの完成機までの競争になっています。

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