ペンタックス K-3 レビュー 比較と評価
PENTAX K-3
ペンタックスのK-3は、PENTAX K-5 IIとPENTAX K-5 IIsの後継機です。K-3は、APS-Cの一眼レフの機能面での成熟機を代表する名機と言える機種になっています。キヤノンの70Dを見ても、最近は一眼レフでも動画機能も重視しています。その中で、K-3は一眼レフは写真のためにあるという原点を重視しています。動画の音声がモノラルなところもK-3が動画を重視してなく、動画撮影時のライブビューのAF速度も70Dに劣ります。ですが、K-3にはAPS-Cセンサー最高の光学ファインダー、それにペンタックス独自のTAvモードや連写性能など、写真画質としてのAPS-C機としてはK-3が一つの到達点だったと言われるようになると思います。今後はAPS-C機がそうだったようにフルサイズ機ももっと安価になっていくので、APS-C機の魅力を存分に発揮した機種を今出すのは時期的にも合っていると思います。そんなK-3のAPS-Cの高級一眼レフの魅力を、次の記事にも続いて書いていきます。
ペンタックスの一眼レフの魅力は、露出モードです。感度優先のSvとシャッター&絞り優先があるのは、ペンタックスだけです。中でも、TAvモードの便利さに慣れると、他の一眼レフは使えなくなるほどです。TAvモードのことは、ここに書いています。K-3はAPS-C機ですが、APS-Cの魅力の一つに被写界深度があります。コンデジは被写界深度が深すぎて、1インチ型でも深く、それ以上の機種の被写界深度をどう見るかで使うレンズ交換式のカメラが違ってきます。マイクロフォーサーズはコンデジよりは被写界深度が浅いですが、実際に使うと被写界深度が深く、そこが魅力でもあります。APS-Cの魅力は、被写界深度が適度な浅さなところです。35mm判ならボケが大きくなるところでも適度に被写体の表情が分かって、しかも、マイクロフォーサーズよりもボケてくれます。マイクロフォーサーズはアスペクト比が4対3なこともあって、コンデジの延長のところがあります。ペンタックスはレンズの性能もいいので、APS-Cでも十分に被写体を写し撮ることができます。
ペンタックス機は、手ブレ補正が内臓しているのも大きな魅力です。現行の一眼レフで手ブレ補正が内臓してあるのは、ペンタックスの一眼レフだけです。ほかの手ブレ補正が内臓しているレンズ交換式は、全てEVF一眼です。光学ファインダーがよくて手ブレ補正内臓なら、ペンタックスの一眼レフしか選択肢はありません。K-3の内臓手ブレ補正の効果は、約3.5段分です。K-3の光学ファインダーは視野率が約100%で、約0.95倍です。APS-C機の光学ファインダーは倍率が低く迫力がないのが多いですが、ペンタックス機がすごいのは、エントリー機のK-50を見ても、光学ファインダーに手を抜かないところです。APS-C機の場合には、光学ファインダーよりもEVF一眼のほうがファインダーに迫力があります。そんなAPS-C機の中で、ペンタックスの一眼レフはAPS-CのEVF一眼にも負けないファインダーの迫力を見せてくれています。ペンタックスの一眼レフのファインダーがあれば、APS-C機でも光学ファインダーの魅力が健在なことが分かります。K-5 IIとPENTAX K-5 IIsでもファインダーが見やすかったですが、K-3になって15%明るいファインダーになってさらに見やすくなっています。
K-3の視度調整機能は約-2.5~+1.5mで一般的な光学ファインダーよりも少しだけ余裕がありますが、EVF一眼の視度調整範囲の広さには劣ります(ディオプター 眼鏡利用者の裸眼の視度調整)。K-3のフォーカシングスクリーンはナチュラルブライトマットIIIで交換式なので、固定式ではありません。K-3のライブビューはコントラスト検出方式ですが、K-30の時点でコントラスト検出方式にしてはピントの合焦速度が遅くなかったです。ペンタックスの一眼レフのライブビューAFはコントラストAFの割には合焦するので、コントラストAFだからかなりAFが遅いと思っていると、いい意味で予想が裏切られます。K-3は液晶画面が固定で液晶モニターを裏返しにもできないので、ファインダーを覗く時に液晶モニターの汚れが気になることもあります。K-3はAFの輝度範囲がEV-3なのも、大きな魅力です。ニコンの最上位機のD4はEV-2まで、キヤノンの最上位機のEOS-1D Xも同じEV-2なので、K-3のほうが暗所でのAF合焦精度が高いです。
K-3のクラスではマグネシウム合金塗装は通常のことですが、K-3は-10℃の耐寒動作保証をしているのも大きな特徴です。K-3は防塵・防滴構造なので、AWの(防塵・防滴)レンズ、WR(防滴構造)レンズを使えば、さらに安心して使えます。PENTAX K-3 18-135WR レンズキットには、SmC PENTAX-DA18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WRのレンズが付属しています。K-3は1/8000秒の高速シャッタースピードが使えますが、晴天時の1/4000秒ではF1.8でISO100でもシャッタースピードの上限が不足するので、1/8000秒があると手軽に開放F値で撮れます。1/8000もあれば、動体撮影での被写体の写し止めも十分に使えます(レンズシャッターとフォーカルプレーンシャッターの違いに、シャッタースピードの上限の違いについて書いています)。K-3は露出補正が±5EV、AdobeRGBの色空間、、Eye-Fiカード、FLUカード、UHS-Iにも対応、インターバル撮影 、インターバル動画の機能もあります(露出のことは、デジカメと銀塩フィルムカメラの露出の違いの記事から書いています)。K-3でも、ペンタックスのカスタムイメージの魅力があります。カスタムイメージを使ってないのなら、ペンタックスの機能が使ってみてください。雅やリバーサルフィルムのイメージで印象的な写真になります。
K-3の電子水準器は画像のモニター表示では左右と前後の傾きが分かりますが、ファインダー内の表示では左右の傾きで判断します。K-3はフルHD動画が撮れますが、次の記事でも書いていますがH.264に変更しています。動画でステレオ録音をするなら外部マイクが使用できます。K-3のバッテリーはD-LI90PでCIPA基準で約720枚持ちますが、バッテリーグリップのD-BG5で単三電池が6本使えます。D-BG5は、防塵防滴です。K-3ではISO感度を低速側と高速側にして、感度オート時の上げ具合を設定できます。K-3は高速優先、深度優先、MTF優先にして、プログラムのシャッタースピードとレンズの絞りのオート時の設定もできます。K-3で使える別売のO-GPS1のGPSユニットを使えばGPSも使えるようになりますが、天体追尾撮影のアストロレーサーが使えるようになります。ファームウェアのバージョン1.10では、レンズ補正に回折補正を追加しています。
次のK-3とK-5 II/K-5IIsの違いの記事で、ここで書いた以外のローパスセレクターなどのK-3の機能の魅力や特徴について書いています。PENTAX K-3 IIのレビューに、後継機のことを書いています。K-3とD5300の違いに、違いを書いています。
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