ニコン D850 レビュー 比較と評価

ニコンのD850

ニコンのD850は、2014年7月17日に発売されたD810の後継機です。

D850は、35.9mm×23.9mmの裏面照射型CMOSです。裏面照射型CMOSは、従来の表面照射型に比べて高感度時のノイズが減少しています。裏面照射型CMOSがニコンの一眼レフに搭載されるのは、D850が初搭載になっています。

D850は、解像感が増す光学ローパスフィルターレスです。ローパスフィルターレスのなしとありの決定的な違いに、ローパスフィルターのことを書いています。総画素数は4689万画素で、有効画素数は4575万画素です。撮像範囲は標準のFX(36×24)の他に、1.2×(30×20)、DX(24×16)、5:4(30×24)に加えて、正方形の1:1(24×24)があります。

D850を買う層であれば、これだけの画素数があると、画素ピッチと受光面積で画質に問題が出てくるのではと心配することもあると思います。画素ピッチの計算方法とセンサー別の数値の意味に書いていますが、D850は総画素数で計算しても画素ピッチが4μm以上あります。これだけの画素ピッチがあるのはD850が35mm判相当のセンサーだからで、画素ピッチのことは心配しなくていいと思います。

D850の画像処理エンジンはEXPEED 5です。ファインダーの倍率は約0.75倍で、視野率は約100%、アイポイントは接眼レンズ面の中央から17mmです。視度調節の範囲は、-3から+1です。ディオプター 眼鏡利用者の裸眼の視度調整に視度調整のことを書いています。

ファインダースクリーンは、B型クリアマットスクリーンVIIIです。モニターはチルト式の3.2型で、タッチパネル式なのでタッチ操作ができます。ドット数は約236万ドットで、モニターは上下に180度に動かせるのでライブビュー撮影での自由度があります。

モニターはコントラストAFのみなので、モニターでは位相差AFは使えません。コントラストAFと位相差AFと像面位相差AFの違いに、違いを書いています。ISO感度はISO64からISO25600まで設定できて、1/3と、1/2、1ステップで調整できます。ISO32相当と、ISO102400相当の拡張感度が使えます。拡張感度 基準感度 常用感度の画質の違いに、拡張感度のことを書いています。

シャッタースピードの上限は、1/8000秒です。記録メディアはXQDカードと、UHS-II規格のSDカード系のダブルスロットです。連写性能は、秒間コマ数が、AF追従連写で約7コマ/秒で、別売のMB-D18を使ったAF追従連写では約9コマ/秒です。

連続撮影枚数は14ビットのロスレス圧縮RAWでは約51コマ、12ビットのロスレス圧縮RAWのLなら170コマです。AFの測距点数は選択ができるAFの55点を含む153点で、クロスセンサーは選択ができるAFの35点を含む99点あります。

F8対応の測距点は15点で、そのうちの9点が選択できます。前機種のD810よりも130%以上の広範囲の測距点になっています。テレコンを使った合成F値でも、F5.6で153点の測距点が使えます。合成F値がF8でも、15点の測距点が使えます。

露出補正の補正幅は±5段で、1/3と1/2、1ステップの調整幅で補正できます。動画機能は3840×2160の4K UHDの30pで撮影できて、4K UHDはFXベースの動画形式と、スーパー35mm相当のDXベースの動画形式で撮影できます。

動画のファイル形式はMOVとMP4で、動画の映像はH.264/MPEG-4 AVC、動画の音声はリニアPCM、AACです。マイクの感度を自動調節して音の歪が防げるアッテネーターが、D850で追加されています。D850のスローモーション動画には、4倍スローと5倍スローがあります。

4:2:2 8bitの4K UHDの非圧縮ファイルの同時記録が、HDMIケーブルとの外部機器の接続でできます。動画のピクチャーコントロールのフラットがあるので、被写体情報の取得がしやすくなっています。フルHD動画では、ピント面の輪郭を色で強調できるピーキング機能が使えます。

D850では、8Kのタイムラプスムービーの機能もあります。インターバル撮影の間隔は0.5秒に設定することもできます。メカシャッターを使わないサイレントインターバルタイマー撮影もできますが、ローリングシャッター現象が出ることがあります。グローバルシャッターとローリングシャッターの違いとはに書いています。

内蔵のステレオマイクがあります。モニターを使った静止画のライブビューでは、AF枠を小さくしたピンポイントAFが使えます。D850にはホワイトバランスに自然光オートが追加されていて、自然光でより自然なホワイトバランスに撮影できるようになっています。

測光をハイライト重点測光にすれば、被写体のハイライトができるだけ部分的に飛ばないように全体を調整した撮影もできます。静止画のライブビューで電子シャッターを使えば、先幕と後幕を電子シャッターにするサイレント撮影もできます。

この電子シャッターを使えば、シャッター音も静音にして、メカシャッターによる機構ブレも抑えられます。フリッカー低減機能もあります。フォーカスシフトの機能もあるので、ピント面をずらして撮影できて深度合成用の素材ができます。

ピントとは 点でなく面で合う実像面に、ピント面のことを書いています。D850も手ブレ補正はレンズ式でボディ内補正はないですが、動画ではフルHDとHD動画で、3方向の手ブレ軽減ができる電子手ブレ補正の機能があります。RAWには、LとMとSサイズがあります。

カメラ内RAW現像は、一括現像もできます。カメラ内RAW現像はどんな時に使えばいいのかに、カメラ内RAW現像のことを書いています。D850は、測距点に連動してスポット測光の位置も動かせます。AFの検出輝度範囲はISO100で-4から+20EVで、ISO100では中央の測距点が-4EVで、それ以外の測距点が-3EVです。

露出制御の測光方式は、180KピクセルのRGBセンサーです。フラッシュの同調速度は、1/250秒です。D850は、氷点下では動作環境外です。D850には、ニコンの一眼レフ初のシャッターカウンターバランサーがあります。これによって、機構ブレが今まで以上に抑えられています。シャッターユニットの耐久性は、20万回です。

D850のボディはマグネシウム合金で、防滴と防塵性能もあります。Wi-Fiも使えます。バッテリーの撮影枚数は、EN-EL15aでCIPA基準で約1840枚です。D850には内臓フラッシュがないので、それで計測しています。CIPA基準ではフラッシュがあればそれを2回の撮影ごとに1回発光して計測するので、内臓フラッシュ機よりも寿命が長いのはD850がフラッシュ内臓でないからです。

別売のマルチパワーバッテリーパックのMB-D18なら、単3形電池の8本をバッテリーとして使えます。MB-D18を使えば、CIPA基準で約5140枚の撮影枚数です。D850には、ボタンイルミネーションの機能もあります。D850には35mm判のフィルムをJPEGにできるネガフィルムデジタイズの機能もあって、別売のアダプターのES-2を使えばポジ反転も自動でして撮影できます。D850の本体のみの重さは、約915gです。

D850とD810の違いD850と5D Mark IVの違いD850と6D Mark IIの違いD850とD5の違いD850とD500の違いD850とα9の違い を書いています。

コンデジが一眼レフを超える時 訴える力のある良い写真とはに、コンデジでも訴える力のある写真が撮れることを書いています。スマホとコンデジの画質と決定的な違いに、スマホとコンデジのことを書いています。

単焦点がズームレンズより画質がいい理由とフレアとゴーストに、レンズのことを書いています。コントラストを下げて撮影したほうがいいことなどをデジカメのダイナミックレンジ ラチチュードを拡大でお薦め設定に、書いています。コンデジのフルマニュアル撮影とオート機能との違いに、マニュアル撮影の利点を書いています。日の丸構図は悪くないも書いています。関連記事は下にあります。


スポンサーリンク

関連記事