ニコン D800 レビュー 比較と評価
ニコン D800
ニコンのD800は有効画素数が3630万画素の35mmフルサイズ機で、とにかく解像度重視の機種です。D800とEOS 5D Mark IIIでどちらにしようか悩んでいる人が多いですが、解像度がある写真が撮りたいのならD800にしておくと間違いないです。D800は総画素数が3680万画素もあって、35mmフルサイズ機の中でニコン機以外では高画素数になっています。そのため、D800の1画素当たりの受光面積では不利になっています。D800はEOS 5D Mark IIIより高感度ノイズが多く、ISO6400でもノイズが出ています。JPEG撮影で高感度撮影が多い場合には、D800のノイズが気になるかもしれません。
D800は、DX フォーマットを使って約1.5倍のクロップができます。これが、D800で便利に使える機能です。AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gが、1.5倍のクロップでは75mmF1.8で使えます。クロップのいいところは、画像を切り取っているのでF値が暗くならないことです。物理的なテレコンの場合には、2倍で明るさが2段も暗くなります。2段も暗くなるとシャッタースピードが1/4も遅くなって、感度を上げないと被写体ブレしてしまいます。D800のクロップ機能は単焦点レンズの開放F値のままズームできて、クロップ効果で接写にも強くなります。ニコンのAPS-CサイズのDXフォーマットからステップアップする時にも、DXレンズをD800で使用するとDXフォーマットが自動的に選択されて使えます。
DXフォーマットからFXフォーマットにしょうと思っている時に、35mmフルサイズはボケすぎるという声も聞きます。APS-Cサイズで十分すぎるほどボケが得られているのなら、無理にFXフォーマットにすることもないと思います。FXフォーマットにすると、APS-Cサイズの機種よりはさらにボケることになります。個人的には35mmフルサイズは確かにボケが大きいですが、それは単焦点レンズの絞りの開放側や望遠レンズを使った場合で、レンズを絞って使えばそんなにボケすぎることもないです。レンズを絞ると言っても、F8やF11までいつも絞ることもないです。35mmレンズで言えば、F4まで絞ると料理撮影でも背景もボケて料理にもピント面を合わせた写真も撮れます。
ニコンの一眼レフの大きな魅力が、感度自動制御機能です。D800でももちろん可能で、感度自動制御はD800が適切なISO感度を設定してくれる機能です。D800では感度自動制御の低速限界設定のオートで、レンズの焦点距離に合わせてシャッタースピードを低速側に設定してくれる機能もあります。D800の感度自動制御では、ISOオートが各露出モードで使えます。絞り優先、シャッタースピード優先モードでISOオートが使えるのは当然で、それはコンデジでもできることです。D800の感度自動制御はマニュアル露出時にも、ISOオートが使えます。レンズの絞り値を固定にしてシャッタースピードを決めておくことで表現したい写真表現に合わせて、D800の感度自動制御でISO感度が適切に変わってくれます。
D800はAF-Cと合わせて51点AFのダイナミックAFが使えますが、測距点はEOS 5D Mark IIIのレティクルAFの61点のほうが多いです。D800のダイナミックAFは動体撮影で使えますが、9点、21点、51点があります。51点は確かに測距点が一番多いですが、正確性に劣るところがあります。主要な被写体にピントを合わせて、後の測距点はそれを補助する役目を果たします。精度の高いダイナミックAFは9点なので、9点で捉えられる被写体の場合には、できるだけ9点のダイナミックAFを使ったほうが正確なAFが使えます。D800の3D-トラッキングは色で認識して51点のAFでピントを合わせていきますが、ダイナミックAFを使ったほうがいいと思います。オートエリアAFもD800が51点のAFで自動でピントを合わせてくれますが、これもダイナミックAFでピントを合わせたほうが正確です。静止した被写体には、D800のシングルポイントAFでのピント合わせが適しています。
D800の画質ですが、D800の画素ピッチは4.88マイクロメートルです。この画素ピッチの狭さが、D800の高感度ノイズの多さの難点です。D800は高感度の画質に期待する機種ではありません。D800で35mmフルサイズとしてのクリアな画像を維持するには、ISO3200以上はあまり使わないほうがいいと思います。D800はISO1600でも、暗部にノイズが出ています。D800の高感度ノイズは、同時期の2012年モデルのAPS-Cサイズのレンズ交換式の機種とそんなに違わないくらいにノイズが出ます。D800は高画素を優先したために画素ピッチが小さくなって高感度ノイズが増えて、回折現象も出やすくなっている欠点があります。
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