ニコン COOLPIX Aの被写界深度の特徴
ニコン COOLPIX A
ニコンのCOOLPIX Aは、DXフォーマットのAPS-Cサイズ相当の撮像素子に、28mm相当で実質の焦点距離が18.5mmでF2.8のレンズです。この大型撮像素子とレンズのボケをどのように捉えるかは、COOLPIX Aを使う人によって違います。1/2.3型などのコンデジからしたらCOOLPIX Aはボケボケの写真が撮れます。ただ、それはCOOLPIX Aの被写界深度が浅いというより、コンデジの被写界深度が深すぎるからです。
小型撮像素子のコンデジはレンズが最も明るい開放F値から被写界深度が相当に深いので、開放F値で手前から奥までピント面が合った写真が撮れます。ピントは点で合うピント点ではなく、面で合うピント面になります。コンデジで背景をボカすには、数センチ単位で被写体に近づいて接写する超マクロ撮影でないと、背景がボケた写真にはなりません。コンデジは、そういう特殊な撮影をしない限りは、通常の撮影ではボケた写真にならないです。この被写界深度の深さが、小型撮像素子のコンデジの表現力のなさと言われるところでも、また、撮影者が誰であっても手軽に撮れると言われるところでもあります。
APS-Cサイズのセンサーに18.5mmのF2.8のレンズは、体感的には、そんなにボケた写真にはなりません。APS-Cサイズの50mm相当の標準レンズは、35mmのレンズになります。その35mmF1.8のレンズは、COOLPIX Aの18.5mmF2.8のレンズよりも被写界深度が浅く、ボケが得られるレンズです。それでも、APS-Cサイズの撮像素子に35mmF1.8のレンズは、F1.8の開放F値でも、それほどボケた写真にはならないのです。
APS-Cサイズに35mmF1.8のレンズは、被写体から少し離れて撮ると、開放F値のF1.8でもピント面が合う範囲が広くなるので、スナップ撮影でも開放F値のF1.8で使えます。このAPS-Cサイズの35mmF1.8の開放F値でもそんなにボケないというのは、35mmフルサイズがもっと被写界深度が浅いからです。35mmフルサイズから見ると、APS-Cサイズの被写界深度はそれより深くなります。
結局、どの位置からCOOLPIX Aを見るかで、被写界深度の捉えかたが違ってきます。小型撮像素子のコンデジからCOOLPIX Aへとステップアップすると背景のボケに惹かれて、APS-Cの撮像素子以上の一眼レフから見ると、COOLPIX Aはそんなにボケずに、ほどよいボケの写真が得られる機種になります。
次の02のニコン COOLPIX Aのレビューの記事に続きます。
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