ライカM ライブビューとEVFでレンジファインダーの欠点を克服
ライカM レンジファインダーの欠点を克服
前の01のライカM(Typ 240) レビューの記事からの続きです。
ライカ M(Typ 240)のレンジファインダーは、通常のスナップ撮影の領域では、二重像合致式(上下像合致式も使えます)の光学ファインダーで使いやすいです。問題は、レンジファインダーの欠点です。レンジファインダーが近接撮影、開放F値でのピント合わせに弱いことはよく言われてきました。特に、レンジファインダーでは望遠レンズでのボケ具合が分かりません。レンズ交換式のレンズの大きな魅力はボケにあるのに、レンジファインダーではボケ具合が分からないのです。
このレンジファインダーの弱点は、ライカMのレンジファインダーでも同じです。前機種のLEICA M9までは、このレンジファインダーの欠点のままでした。レンジファインダーはその欠点を克服できないままに一眼レフにカメラの王道の座を奪われていったのが、カメラの歴史です。ライカMは、そのレンジファインダーの物理的限界をライブビュー搭載によって乗り越えました。
これはデジカメ時代では当たり前で、むしろ、ライカMになってやっとライブビューを搭載したのが遅いと思われるのは、その通りだと思います。ただ、ライカがライブビューをLEICA Mに搭載してきた意味はとても大きいです。今までのレンジファインダーの欠点を乗り越えて、近接撮影から望遠域から背景のボケ具合まで正確なピント合わせが、ライブビューでできるようになりました。距離計に連動させるカプラーのアダプターで動作しなくても、ライブビュー撮影が可能になりました。ライカMはLEICA X2やライカXバリオでも使えるEVF2も装着できるので、EVFも使えます。
ライカMでは普段のスナップ撮影ではレンジファインダーで、レンジファインダーの物理的限界でどうしても弱い領域ではライブビューやEVFでと使い分けることができます。レンジファインダーは実用的な面だけで見るとライブビューやEVFに大きく劣っても、レンジファインダーがないとライカでなくなります。レンジファインダーは実用面では一眼レフの光学ファインダーに劣り、その光学ファインダーの座さえもEVFに奪われる未来が言われている中(一眼レフから光学ファインダーはなくなる?35mm判の原点回帰)で、今でもレンジファインダーにこだわるのは、ダウンロードで音楽を聴く時代になってもレコードにこだわるようなものです。ただ、レンジファインダーはスナップ領域ではとても使いやすいです。
LEICA Mでライブビューを主に使うと、レンジファインダーは付属品みたいになります。あるいは、一眼レフの光学ファインダーにカメラとしての実用度に負けてカメラ史で敗北したレンジファインダーが、ライブビューとEVFで復活したと取ることもできます。ライブビューがあることで、その助けを借りて、レンジファインダー機でも使えるようになったとも言えます。ライカMを見ると、レンジファインダー機はライブビュー時代になって、また再び日の目を見るようになりました。レンジファインダー機の新しい歴史は、ライブビューと共に始まったのは間違いないと思います。そして、ライカMが初めてのM型ライカのレンズ交換式のライブビュー機です。これから、ライカがデジカメ時代にどう出るのか、その端緒がライカMになっています。
レンジファインダーの物理的限界をライブビューで乗り越えても、距離計との関係で今までのライカのレンズは一眼レフのレンズのようにマクロ撮影ができません。マクロ撮影をよくするのなら、レンジファインダーのライカMは合わないと思います。レンジファインダーのレンズの欠点は、一眼レフのようなレンズの焦点距離の自由さがないところです。次の03のLEICA M M3と一眼レフ レンジファインダーの歴史上の敗北の記事に続きます。
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