光学ファインダー OVF 電子ビューファインダー EVF 一眼レフの将来
光学ファインダーと電子ビューファインダー
前の01の「一眼レフから光学ファインダーはなくなる?35mm判の原点回帰」の記事からの続きです。
今のミラーレス一眼への流れを見ると、カメラの歴史が大きく動いています。レンジファインダーの短所を補って、一眼レフが生まれました。レンジファインダーではレンズの焦点距離に制約があって、マクロ撮影にも弱く、一眼レフの光学ファインダーに正確性で劣ります。レンジファインダーの長所であるミラーがないことで小型化でき、ミラーショックがないのは、すでにミラーレス一眼が達成しています。
今のデジカメは、35mm判カメラの原点のライカA型の小型化を追求しながら、性能は一眼レフを超えようとしています。レンジファインダー機の良さと一眼レフ機の良さに合わせて、さらに、被写体のリアルタイム情報の反映に代表されるデジカメ独自のさまざまな利点があるので、今までの一眼レフが一眼レフのままであることはできないと思います。実際に、今の一眼レフはスマホの利点も取り入れるようになっています。
デジカメは、今までの一眼レフとレンジファインダーのメリットの良いとこどりをしているのです。そして、その両機のデメリットをなくして、さらに上を目指しています。そのような中で、ますますデジカメが将来に向かって進化している中で、一眼レフ機は以前のレンジファインダー機と同じような骨董品扱いの運命になるかもしれません。
ですが、ハイエンドユーザーの人たちにも有名な『ライフ』誌での「ニコン神話」を思い出してみても分かるように、レスレックスミラーの一眼レフの発展があったから、日本のカメラの発展がありました。光学ファインダーのカメラと一緒に日本のカメラは発展してきたのです。世界中で日本ブランドのカメラのシェアが圧倒的に高い礎を築いたのは、レフレックスミラーの一眼レフです。『ライフ』誌のことをかいつまんで言うと、ニコンのレンズとカメラが朝鮮戦争で活躍した時のことが「ニコン神話」と言われています。
個人的には、一眼レフにある光学ファインダーから見た撮影に重きを起きたい気持ちはあります。ですが、前の01でも書いたように、カメラメーカー自ら、光学ファインダーを重視していない動きがあります。ソニーのデジタル一眼レフが最上位機でもEVFになって、光学ファインダーの一眼「レフ」ではなくなくなりましたが、光学ファインダーの行方で最も重要なのは、ニコンとキヤノンがどう出てくるかです。
今後、光学ファインダーの一眼レフが残っていくには、ミラーレス一眼の存在を考えると、デジタル一眼レフの小型化が重要になってくるのは間違いないと思います。35mmフルサイズのデジタル一眼レフ機をもっと小型化する必要があります。まだ、EVFは動体撮影では残像が残ってOVFに劣りますが、将来的には、EVFがOVF並の見やすさとタイムラグに近づくと思います。有機ELファインダーの見やすさは、かなり高いレベルにまできています。
ニコンのF6でさえも交換ファインダー方式ではないので、光学式ファインダーは一部のレンズ交換式を除いてはなくなるかもしれません。APS-C以下の一眼レフは将来的にはEVFになって、35mmフルサイズ機に光学ファインダーが残るのではないでしょうか。カメラのサイズが小さくなるほど光学ファインダーは物理的制限があって迫力がなくなりますが、EVFは物理的制限を越えられるので、カメラが小さくてもファインダー倍率を高くできます。
今までの一眼レフの魅力あるレンズ交換の歴史は光学ファインダーと共にありましたが、そのレンズ交換の歴史も電子ビューファインダーのEVF機に明け渡す日がくるかもしれません。光学ファインダーを覗いてカメラがブレないようにすることは、EVFでもできます。富士フィルムのX20のようにそれまでのコンデジと比べれば光学ファインダーを重視したレンズ一体型機もあるので、光学ファインダーの魅力が健在なのは間違いないです。
将来的にはOVFとEVFが融合してさらに昇華した光学電子ビューファインダーのハイブリッドファインダーが、ニコンとキヤノンの一眼レフのシリーズの中から出てくるかもしれません。EVFは電源を入れないとファインダーが見えないのが大きな欠点なので、電源オフ時にも光学ファインダーとして見られる光学電子ビューファインダーです。光学ファインダーは動画撮影時にはミラーアップしてファインダーが真っ暗になりますが、EVFはファインダーを見ながら動画撮影ができます。
光学ファインダーの絞りプレビューではレンズを絞るとファインダーが暗くなって被写界深度の状況が確認しにくくなりますが、EVFなら絞りプレビューをしてレンズを絞っても明るいままの状態で被写界深度が確認できるので、ボケを生かした撮影表現の幅がEVFで広がっています。クロップ機能では、EVFではファインダーの全画面表示ができますが、光学ファインダーではフレーム表示でファインダーの迫力がなくなります。OVFとEVFの長所を合わせたファインダーが理想的ではないでしょうか。
それに、レンズ交換式のデジタル一眼のEVF採用機は、光学ファインダー機よりもディオプターの視度調整の範囲が広いです。光学ファインダーの視度調整ではファインダーがぼやけていたのも、EVFならはっきり見える範囲が広がっています。そのため、EVFなら眼鏡を外して裸眼で視度調整の範囲でファインダーを使える視度範囲が広がっています。眼鏡利用者で裸眼でのファインダーを諦めていたけれど、EVFの横にある視度調整をして裸眼で見てみると、ファインダーが予想よりもはっきりと見える人が増えているのです。
光学ファインダーではピント面がどうしても見にくい人は、一度EVFのピント面を色で強調してくれるピーキング機能の助けを借りると、もうOVFには戻れなくなるくらいにピーキング機能は頼りになります。眼鏡利用者と一眼レフのファインダーからの記事に、眼鏡利用者とファインダーのことを書いています。光学ファインダー機でのミラーショックの軽減も課題ですが、EVF機のバッテリーの持ちがOVF機に比べてかなり悪いのも大きな課題です。
老眼と視度調整 ミラーレス一眼のEVFが救世主も書いています。
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