DIGITAL HARINEZUMI 4.0 レビュー 比較と評価

チノン DIGITAL HARINEZUMI 4.0

チノンのDIGITAL HARINEZUMI 4.0はトイデジカメですが、表現系カメラと言われているだけの理由があります。DIGITAL HARINEZUMI 4.0は、性能面では有効画素数が300万画素しかなく、焦点距離は35mm判換算で38mmの単焦点で、レンズの明るさのF値は3.0です。これを見ただけで、DIGITAL HARINEZUMI 4.0はiPhone5sの性能にも劣っています。動画も640×480なので、一昔前のエントリーコンデジ機並です。このような一見すると性能では劣っても、それでも今までデジタルハリネズミが表現系カメラと言われています。

DIGITAL HARINEZUMI 4.0は、撮影する楽しさを改めて思い出させてくれます。今のデジカメはDIGITAL HARINEZUMI 4.0に比べると、万能型のカメラが当たり前になっています。綺麗に撮れるのは当たり前で、ISO感度を上げてもノイズが少ないです。そんなデジカメで撮っていると、写真にはノイズが少ないのが当たり前で、写真で最も重要なのが画質だと思ってしまうことがあります。DIGITAL HARINEZUMI 4.0は、写真は芸術であって、被写体のそのままの姿をノイズがなくクリアに撮れればいいものでもないことを再確認してくれるものです。

DIGITAL HARINEZUMI 4.0は、レンズ交換式のデジタル一眼レフの魅力にも通じるところがあります。一眼レフでの撮影でズームレンズを使えば便利に撮影できるのに、不便な単焦点レンズを何度も交換して撮ることは珍しくありません。写真の表現で、不自由さの中に新しい表現が出てくるのは単焦点レンズにも通じます。単焦点レンズで、被写体に足で距離を稼いで撮影することの大切さは今まで繰り返し言われてきました。この不自由さの中に新しい発想があることは、写真以外でもそうです。

手軽な移動手段が複数ある中で徒歩を選択した時に、散歩の途中で何か新しい発想が生まれてくる時にも、不自由さの中に何か新しい創造的なことが生まれてきています。DIGITAL HARINEZUMI 4.0は制限がある中での撮影をして、その制限の中で温かみがあって記憶に残る写真が撮れるのが魅力です。DIGITAL HARINEZUMI 4.0を使えば、記憶に残る写真と画質の良さは、必ずしも比例するわけではないことの再確認もできます。写真の世界では思い切った割り切りが表現力への力となってきて、DIGITAL HARINEZUMI 4.0もその路線にあるものになっています。

コンデジから一眼を使って、さらにはモノクロのエフェクト機能なども使ってきた後にDIGITAL HARINEZUMI 4.0を使うと、その魅力がさらに分かると重います。エントリーコンデジのオート機でも、ホワイトバランス、露出補正、ISO感度も変更できるので、実際にはオート機ではありません。DIGITAL HARINEZUMI 4.0は、ホワイトバランスもオートです。一眼とDIGITAL HARINEZUMI 4.0の両方を持ち歩いて、時々でもDIGITAL HARINEZUMI 4.0を使うと単調な撮影を避けることもできます。DIGITAL HARINEZUMI 4.0は表現系カメラと言われていても、本格的に表現を広げるのはデジタル一眼レフでRAWで撮って、自分で後からレタッチすることです。DIGITAL HARINEZUMI 4.0は表現系ミニカメラで、手軽に撮影できます。

DIGITAL HARINEZUMI 4.0とDIGITAL HARINEZUMI 3.0の違いは、DIGITAL HARINEZUMI 4.0では多重露光撮影ができるようになって、それまではCR-2の電池が必要だったのが充電式になったこと、日付の設定が可能、USBマスストレージの接続ができるようになっています。DIGITAL HARINEZUMI 4.0では、パソコンに接続している時には無理ですが、充電中でも撮影ができます。カラーモードは10種類でNormal、Vivid_1、Vivid_2、Monochrome(Normal)、Monochrome(Hard)、Monochrome(Soft)、Old_1、Old_2、Blue、Redがあって、マクロは被写体に約3cmまで近づけて、Over Exposure、Smokyの機能もあります。動画はスムーズな30コマ/秒の30FPS、カクカクの8コマ/秒の8FPS、コマ送りの1コマ/秒の1FPSがあります。

DIGITAL HARINEZUMI 4.0はmicroSDカードも使えますが、液晶画面は1.5インチの小ささです。1.5インチの液晶画面は今から10年前のデジカメよりも小さいので、その小ささがどうしても納得できないのなら、DIGITAL HARINEZUMI 4.0は選択肢からは外れます。DIGITAL HARINEZUMI 4.0は多重露光を使って印象的な写真が撮れるのが大きな魅力なので、多重露光撮影はぜひ使いたい機能です。DIGITAL HARINEZUMI 4.0を使うと、トイデジカメは決して子供用のカメラではないことが分かります。

複数のカメラを使ってきた人がトイデジカメの魅力にはまるのは、シャッターボタンを押せば綺麗で失敗のない写真が撮れるのが当たり前になった今の状況にあります。DIGITAL HARINEZUMI 4.0は綺麗でそのままの写真ではなく、アート性の高い写真が撮れるので、美術のほうに近い写真も撮れます。DIGITAL HARINEZUMI 4.0で撮った写真は、綺麗な写真が当たり前になったことから見ると、一目見ると失敗した写真のようにも見えます。その失敗写真い見えるところに魅力があるのも、DIGITAL HARINEZUMI 4.0です。写真表現の幅を広げたい時に、DIGITAL HARINEZUMI 4.0を使ってみるのも選択肢に入ることです。

コンデジが一眼レフを超える時 訴える力のある良い写真とはに、コンデジでも訴える力のある写真が撮れることを書いています。スマホとコンデジの画質と決定的な違いに、スマホとコンデジのことを書いています。

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