D5とEOS-1D X Mark IIの違いと比較

D5と1D X Mark II

ニコンのD5と、キヤノンのEOS-1D X Mark IIの主な違いと比較を書いています。両機種の画素数はほぼ同じで、D5の画像処理エンジンはEXPEED 5で、1D X Mark IIはデュアルDIGIC 6+です。ファインダーの倍率は、D5は約0.72倍で1D X Mark IIは約0.76倍、アイポイントはD5は17mm、1D X Mark IIは約20mmです。1D X Mark IIのモニターは像面位相差AFなので、ライブビューでも位相差AFが使えるので、AF速度が速くなっています。D5はライブビューではコントラストAFしか使えないので、モニターでの写真撮影や動画撮影では、1D X Mark IIのほうが被写体への応答速度が優れています。

モニターはどちらも3.2型で、1D X Mark IIは約162万ドット、D5は約236万ドットです。両機種には、ISO感度に大きな違いがあります。1D X Mark IIの常用感度はISO100からISO51200で、D5の常用感度はISO100からISO102400ですが、拡張感度が大きく違います。1D X Mark IIはISO40万9600相当までの拡張感度が使えますが、D5はISO328万相当までの拡張感度です。拡張感度 基準感度 常用感度の画質の違いに、拡張感度のことを書いています。1D X Mark IIでは撮れない暗さでも、D5なら撮影することができます。写真で記録も重視するなら、高感度撮影で画質がかなり悪くても、ISO300万以上で撮れるD5のほうがいいです。

D5は動画でもISO100からISO328万相当まで使えますが、1D X Mark IIはISO20万4800相当までしか使えません。記録メディアにも違いがあります。1D X Mark IIはCFにCFast 2.0のダブルスロットで、D5はXQDと、CF専用のボディに分かれていて、それぞれのボディはダブルスロットです。連写性能の秒間コマ数は、D5はAFとAE追従で約12コマ/秒、1D X Mark IIはAFとAE追従で約14コマ/秒です。1D X Mark IIは、AFとAEが1枚目に固定でよければ、ライブビューで約16コマ/秒ができます。連続撮影枚数は、D5はRAWで200コマできますが、1D X Mark IIはRAWで170枚です。

AFの測距点数にも、違いがあります。D5のAFの測距点数は全て合わせると153点で、1D X Mark IIは最大で61点です。これだけだと、D5のほうが優れているように思えますが、1D X Mark IIのAF性能のほうが被写体の捕捉率が高いことがあります。D5はAFの測距点数は多くても、特に、合成F値でF8になるレンズの場合に、1D X Mark IIよりも被写体捕捉性能が下がっています。1D X Mark IIは合成F値がF8でも全ての61点の測距点が使えますが、D5はF8では15点しか使えません。D5はF8のクロスセンサー対応になると5点ですが、1D X Mark IIはF8でも21点のクロスセンサーにも対応しています。

はっきりと言ってしまえば、D5のAFの測距点から見た捕捉性能は、1D X Mark IIに比べると、見かけ倒しと言える面があります。特に、合成F値がF8でもクロスセンサーでも21点あるので、1D X Mark IIは超望遠撮影で優れたAF性能を発揮できます。D5はボタンイルミネーションが使えますが、1D X Mark IIは使えません。動画性能は、D5は3840×2160の4K UHDの30pで撮影できますが、1D X Mark IIはMOVの4096×2160の約60fpsで撮影できます。これだけ見ると1D X Mark IIのほうが優れているように見えますが、1D X Mark IIは非圧縮の4K動画のHDML出力ができず、フルHDでの出力になります。

D5は、非圧縮の4K UHDでのHDMI出力ができます。D5はファイル形式はMOVのみですが、1D X Mark IIはMOVとMP4が使えます。AFの検出輝度範囲は、D5は中央の測距点で-4から20で、1D X Mark IIは中央で-3から18です。暗所でのAF性能は、D5のほうが優れています。D5は1D X Mark IIが撮影できない暗所での撮影できる高感度があって、ボタンイルミネーションもあって検出輝度範囲も優れているので、暗所撮影の機会が多いのなら、D5のほうがいいです。露出制御の測光方式は、D5は18万画素RGBで、1D X Mark IIは36万画素RGBです。1D X Mark IIにはフリッカー低減機能があって、D5もファームウェアの更新でフリッカーに対応しています。

1D X Mark IIには、アメリカのGPS、ロシアのGLONASS、日本の準天頂衛星みちびきのGPSが内臓で使えますが、D5にはGPSは内臓していません。Wi-Fiなら、両機種とも内臓式で使えます。バッテリーの撮影枚数は、D5はCIPA基準で約3780枚で、1D X Mark IIはCIPA基準で約1210枚です。D5は本体のみで約1240gで、1D X Mark IIは本体のみで約1340gです。D5とEOS-1D X Mark IIに違いはありますが、どちらも同時代のフラグシップ機としてのこれ以上ない機能があるので、あとは自分の写真の腕を磨くしかないという覚悟が出てくるのは同じです。両機種のここに書いている以外の機能については、D5EOS-1D X Mark IIの記事に書いています。

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