PowerShot ZOOM レビューと比較

PowerShot ZOOM

PowerShot ZOOMは、1/3型のCMOSセンサーで、有効画素数：約1210万画素です。画素ピッチの計算方法とセンサー別の数値の意味に、画素ピッチのことを書いています。1/3型センサーは、コンデジの中でも最も小さいです。画像処理エンジンはDIGIC 8です。

焦点距離は100mmから400mm相当で、実質の焦点距離は13.8mmから55.5mｍです。PowerShot ZOOMの特徴は、広角端でも100mmから始まるので、望遠から始まる望遠機です。レンズが最も明るい開放F値は、広角端でF5.6、望遠端でF6.3です。レンズの絞りは固定で、この数値から変わりません。

ファインダーは0.39型の約236万ドットで、視度調整の範囲は約-3.0から＋1.0です。ディオプター眼鏡利用者の裸眼の視度調整に、視度調整のことを書いています。記録メディアは、microSDカード系です。

iPhone12 Pro Maxのセンサーサイズとカメラ機能の記事を書きましたが、PowerShot ZOOMはiPhone12 Pro Maxの広角レンズよりもセンサーが小さいです。iPhone12 Pro Maxと比べれば、PowerShot ZOOMのほうが画質が劣ります。

PowerShot ZOOMには、RAWはありません。デジタルズームでは800mmまで使えますが、800mmまでにズームすると画質が落ちます。PowerShot ZOOMのことを考えると、スマホがだんだんと高画質になっていったので、コンデジのほうがそのスマホに画質で争うのではなく、別の機能でスマホを補完するようになったと思いました。

PowerShot ZOOMはスマホでは撮れない望遠を補う形のカメラで、広角側はPowerShot ZOOMよりも画質がいいiPhone12 Pro Maxで撮って、望遠側をPowerShot ZOOMに任せるという使い方もできます。

スマホの画質がさらによくなると、もはや高画質はスマホで、サブにエントリーコンデジという時代の到来にもなるでしょう。PowerShot ZOOMは100mmでも遠景の描写にボケが出て解像できてないこともありますが、1/3型センサーという極小センサーなので画質はよくないです。

PowerShot ZOOMは400mmの望遠に、800mmまでズームできるのに三脚穴がないです。光学式の手ブレ補正がありますが、特に800mmまでズームすると、ブレが目立ちます。

PowerShot ZOOMは、特に、暗所撮影の能力が低く、ノイズが出ます。ISO感度は、ISO100からISO3200までしか設定できません。PowerShot ZOOMと同時期のコンデジで、最高感度がISO3200までしかないのは、最も高感度に余裕がないコンデジです。

ISO3200までしかないコンデジは、旧世代のカメラのISO感度と同じです。スマホでのリモート撮影ができますが三脚穴がないので、どこかにカメラを置いておくか、誰かに持ってもらうかなどする必要があって、不便です。

メニューはファインダーを覗いてから操作をしますが、操作がしにくいです。スマホでの画面でのメニュー操作もできません。連写性能は、フォーカスが固定で、10コマ/秒です。

スマホでも4K動画が撮れるのに、PowerShot ZOOMはフルHD動画しか撮れません。しかも、連続動画撮影時間は9分59秒までです。シャッタースピードの上限は、1/8000秒です。露出補正は、±3段で1/3段ステップで補正できます。

バッテリーの撮影枚数はCIPA基準で約150枚なので、バッテリーの持ちは非常に悪いです。しかも、バッテリーの交換ができません。USB-C端子で給電することはできます。

PowerShot ZOOMはカメラというよりは、望遠鏡で使うには面白い機種かもしれませんが、カメラとして諦めたとも取れます。双眼鏡とデジタルカメラにビデオカメラの特徴を組み合わせて、1台で観ると撮るを楽しむ機種であるというのは、どれも中途半端である機種であるとも言えます。

PowerShot ZOOMの本体のみの重さは約144ｇで軽いので、スマホの補助の望遠側を補うために持ち歩くのはいいかもしれません。

コンデジが一眼レフを超える時訴える力のある良い写真とはに、コンデジでも訴える力のある写真が撮れることを書いています。スマホとコンデジの画質と決定的な違いに、スマホとコンデジのことを書いています。

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