キヤノン EOS 6D レビュー 比較と評価
キヤノン EOS 6D
キヤノンのEOS 6Dの発売で思ったことは、初代のEOS Kiss デジタルが2003年の9月に発売された時の35mmフルサイズ版だと思いました。初代のKiss デジタルで、本格的にAPS-Cサイズのレンズ交換式が普及する大きなきっかけになりました。初代のKissデジタルから、35mmフルサイズがもっと値段が安くなって手が届くようになるのはいつなのかと言われていました。その2003年の初代のKiss デジタルから2012年になって、35mmフルサイズの価格を抑えた6Dが出てきました。6Dの最大の役目は35mmフルサイズ機をもっと浸透させることで、初代Kissデジタルが35mmフルサイズになって帰ってきたと言えるかもしれません。
EOS 6Dの大きな魅力は、ISO感度の12800の高感度の画質です。光が回っている状況なら、EOS 6DのISO12800なら常用感度になっています。EOS 6DのISO12800は、EOS 6Dと同じ発売時期の2012年モデルのAPS-Cサイズのレンズ交換式のISO3200のノイズレベルと同じくらいです。光が十分ではない状況下でも、EOS 6DのISO12800は暗部のノイズが少ないです。35mmフルサイズで、ここまでノイズが少なくなったと驚くレベルです。実際に高感度ノイズを見ると、EOS 6DはEOS 5D Mark IIIよりノイズが少し抑えられています。
それでも、EOS 6DのISO感度の25600になるとノイズがかなり増えて解像度も落ちて、コンデジ画質になります。コンデジ画質でもよければ使えますが、35mmフルサイズを使っている意味がなくなるので、ISO25600は使わないほうがいいと思います。EOS 6DのISO感度の51200は解像度も諧調もさらにガクンと落ちて、エントリーコンデジを使ったほうがいいレベルにまで落ちてしまいます。EOS 6DのISO感度の102400になると、もはや35mmフルサイズで撮った面影もないくらいになります。体育館の室内競技などで被写体の動きを写し止めたい場合などには、ISO12800以上が必要になります。今後の高感度域の改善はISO12800以上のノイズをもっとクリアにして、室内競技スポーツ全般でもノイズやシャープネスの低下も気にせずに安心して使えるようになることだと思います。
キヤノンのEOS 6Dは測距点が11点なので、5D Mark IIIの61点のレティクルAFより動く被写体の撮影に向いていないです。6Dは風景やポートレート撮影ならいいですが、動体撮影が主な被写体の場合にはAFの精度に不満が出てくることもあります。どんな被写体を主に撮るのかをまずは考えて、6Dの11点のAF測距点で十分なのかは考えたほうがいいと思います。6Dは35mmフルサイズで価格を抑えた機種ですが、中央の測距点は開放F値がF5.6のレンズでもクロス測距に対応しています。開放F値がF2.8以下のレンズでは、中央測距点は縦線検出測距も可能です。6Dは中央のAFの補足力は優れているので、中央測距点をよく使う静物撮影が多いのなら、6Dは選択肢に入る機種になっています。それに、6DはEV -3までの測距輝度範囲もあるので、暗い場面でもAFが使えます。
6Dの連写の秒間コマ数は最高で約4.5コマ/秒で、静音連続撮影では最高で約3コマ/秒ができます。連続撮影枚数は、UHS-I対応のSDカードでは、JPEGで約1250枚です。6Dのバッテリーは常温でCIPA基準で約1090枚も持ちますが、6Dはフラッシュを内臓していないので持ちがよくなっています。CIPA基準での計測は、内臓フラッシュを発光して計測するからです。ライブビューになると約220枚になります。6DのライブビューのAFは遅く、キヤノン機でライブビューAFが速いのはデュアルピクセルCMOS AFの70Dになります。70Dもライブビューのバッテリーが持たないので、ライブビューAFが速くてバッテリーが持つのはソニーの一眼のαシリーズになります。EOS 6Dの最高シャッタースピードは1/4000秒なので、単焦点の明るいレンズの開放F値で晴天時に撮ると1/4000秒でも露出オーバーになって、露出をマイナスにして被写体の色を濃い目に撮影するもできません。
晴天時に単焦点の開放F値で使うのなら、EOS 6Dは常にNDフィルターを使う必要があります。6Dのファインダーの視野率は約97%で倍率は約0.71倍、視度調整の範囲は約-3.0から+1.0mです。ディオプター 眼鏡利用者の裸眼の視度調整に、視度調整のことを書いています。フォーカシングスクリーンは Eg-A IIで、交換できます。シャッターユニットは、10万回の作動テストをクリアしています。EOS 6Dは静音撮影ができますが、6Dの静音撮影はかなりシャッター音が静かです。それでも、レンズシャッターのレンズ一体型よりは音がします(レンズシャッターとフォーカルプレーンシャッターの違いとは)。6Dは35mmフルサイズのわりにはコンパクトなボディなので、明るい単焦点レンズで身軽にクリアな写真が撮れます。6DはGPSやWi-Fiも使えるのも、魅力になっています。本体のみで約680gです。
EOS 6D Mark IIのレビューに、後継機のことを書いています。6D Mark IIと6Dの違い、 EOS 5D Mark IVとEOS 6Dの違いも書いています。
EOS 5D Mark IIIとEOS 6Dの違いに、ここに書いていない6Dの機能の続きも書いています。D810とEOS 6Dの違い、EOS 6DとD610の違い、7D Mark IIと6Dの違い、5Ds Rと6Dの違い、D500とEOS 6Dの違いも書いています。
コンデジが一眼レフを超える時 訴える力のある良い写真とはに、コンデジでも訴える力のある写真が撮れることを書いています。スマホとコンデジの画質と決定的な違いに、スマホとコンデジのことを書いています。
単焦点がズームレンズより画質がいい理由とフレアとゴーストに、レンズのことを書いています。コントラストを下げて撮影したほうがいいことなどをデジカメのダイナミックレンジ ラチチュードを拡大でお薦め設定に、書いています。コンデジのフルマニュアル撮影とオート機能との違いに、マニュアル撮影の利点を書いています。日の丸構図は悪くないも書いています。関連記事は下にあります。
スポンサーリンク