EOS 5D Mark IIIとEOS 6Dの違いと比較

EOS 5D Mark IIIとEOS 6D

キヤノンのEOS 5D Mark IIIとEOS 6Dで悩んでいる声がよくありますが、この二機種には違いがあるので比較して紹介しています。まず何と言っても、5D Mark IIIと6Dでの最大の違いはAF性能です。EOS 5D Mark IIIは61点の測距点のレティクルAFがありますが、6Dは11点のAF測距点しかありません。EOS 5D Mark IIIは6Dに比べて動体でのAF撮影にかなり強いです。動体撮影をよく撮るなら、6Dより5D Mark IIIを買ったほうが後から悩まなくて済みます。

6Dは中央測距点が開放F値のF5.6のレンズでのクロス測距に対応していますが、5D Mark IIIはファームウエアをVersion 1.2.1以降にアップデートすると、開放F値のF8のレンズでも中央1点クロス測距に対応しました。6Dの測距輝度範囲はEV -3で、5D Mark IIIはEV -2なので、6Dのほうが暗い場面でのAF撮影に強いです。GPSとWi-Fiを使うのなら、6Dの選択肢しかありません。

EOS 5D Mark IIIとEOS 6Dの画質ですが、5D Mark IIIの高感度のISO12800と6DのISO12800では、6Dのほうがノイズが少ないです。どちらも35mmフルサイズの撮像素子にDIGIC 5+の映像エンジンは同じです。違うのは、画素数です。5D Mark IIIの総画素数は約2340万画素ですが、6Dの総画素数は約2060万画素です。1画素当たりの受光面積が、5D Mark IIIより6Dのほうが有利なのです。5D Mark IIIの発売日は2012年3月22日ですが、6Dの発売日は2012年11月30日です。6Dのほうが約8ヶ月、5D Mark IIIより後に発売されています。

デジタル面では、基本的に後から発売されたもののほうが性能が向上します。6Dは画像処理エンジン、撮像素子の大きさが5D Mark IIIと同じで、5D Mark IIIより画素数が少なく画素ピッチの面で有利で、5D Mark IIIより後に発売されたものです。これらの理由で、実際の6Dの高感度ノイズは、少し5D Mark IIIより少なくなっています。5D Mark IIIは1/8000秒の高速シャッタースピードが可能ですが、6Dは1/4000秒までです(レンズシャッターとフォーカルプレーンシャッターの違いに、シャッタースピードの上限の違いについて書いています)。日中の晴天時の撮影で、単焦点レンズを絞り開放にすると1/4000秒では露出オーバーになります。6Dはそのような撮影では、常にNDフィルターが必要です。それに、1/4000秒以上で可能な波しぶきのつぶつぶ感まで表現したリアルな写真表現などは、6Dにはできません。

6DはUHS-I規格の高速転送のSDHC/SDXCカードに対応していますが、5D Mark IIIではUHS-I規格は使えません。その代わり、5D Mark IIIではコンパクトフラッシュが使えます。SDカードは安くて薄いのはいいのですが、端子が剥き出しでCFより安全性が劣ります。5D Mark IIIのハイエンドユーザー層に合わせて、安全性が高く写真を保護できるCFを採用しています。連写性能は、5D Mark IIIは最高約6コマ/秒ですが、6Dの連写性能は最高約4.5コマ/秒です。5D Mark IIIも6Dもファインダー倍率は同じ約0.71倍ですが、6Dのファインダー視野率は約97%で5D Mark IIIの視野率の約100%に劣ります。

そのファインダーですが、6Dのファインダーはフォーカシングスクリーンが交換できますが、5D Mark IIIのファインダーは固定式です。5D Mark IIIのシャッター耐久回数は15万回の作動テストをクリアしていますが、6Dは10万回の作動テストをクリアしています。シャッター耐久性は5万回くらいの差があって、5D Mark IIIのほうが優れています。ボディの強度も、5D Mark IIIのほうが6Dよりも優れています。

こうやって見ていくと、5D Mark IIIのほうが上級機でレティクルAFの優秀さもあるのですが、6Dのほうが優れているところもあります。結局、どういう被写体を主に撮るのかで6Dでも十分かどうかを決められます。風景を主に撮るのなら6Dで十分ですし、他の静物撮影や、ポートレート撮影でも6Dで十分です。液晶モニターの精細度は6Dも5D Mark IIIも約104万ドットで同じですが、5D Mark IIIは3.2型で6Dの3.0型よりも少し大きいです。バッテリーはCIPA基準の光学ファインダー撮影で、5D Mark IIIは常温のストロボ撮影なしで約950枚の撮影枚数ですが、6Dは同じ条件で約1090枚持ちます。見た目でかなり違うのが、6Dのボディの大きさです。6Dのほうがボディが小さいのは、5D Mark IIIが本体のみで約860gあるのに対して、6Dは本体のみで約680gという軽さから分かります。

EOS 5D Mark IVのレビューに、後継機の5D Mark IVのことを書いています。

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